「Ghost In The Shell/攻殻機動隊」の哲学的な名言集
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」 1995年 押井守監督
1995年に公開されたSFアニメ映画で、その後のアニメや映画に多大なインパクトと影響を与えた作品です。
公開当初はアニメ界以外ではそれほど注目度は高くなかったと記憶していますが、アメリカのビルボード誌のビデオ売上で1位となり世界的に高い評価を受けたこと、「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が攻殻機動隊からインスパイアを受けたことなどで注目が高まりました。
攻殻機動隊を機に、SFやアニメにハマったという人も多いのではないでしょうか。
その独自の世界観、美しい映像、そして哲学的思考のセリフ回しの融合は、当時アニメのイメージを変えてしまうほどのインパクトがありました。
テーマは、ネットワークやサイボーグ・電脳技術が高度に発達した近未来社会において、人間の魂や意識とは何なのか、自分が自分たり得る根拠は何なのか、というものです。
端的に言えば“コンピューターは意識を持ちうるのか?”ということもできます。
そんな哲学的なテーマを持った「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の中から印象的な名言を紹介します。
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の中から、印象的な名セリフを紹介
草薙素子
根拠ですって?
そう囁くのよ、私のゴーストが。
草薙素子
戦闘隊員としてどんなに優秀でも、同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。
組織も人も、特殊化の果てにあるのは緩やかな死よ。
バト―
ゴーストのない人形は悲しいもんだぜ。特に赤い血の流れている奴はな。
草薙素子
人間が人間であるための部品が決して少なくないように、自分が自分であるためには驚くほど多くのものが必要なの。
他人を隔てるための顔、それと意識しない声、目覚めの時に見つめる手、幼かったころの記憶、未来の予感。
それだけじゃないわ。私の電脳がアクセスできる膨大な情報やネットの広がり。
それら全てが私の一部であり、私という意識そのものを生み出し、そして同時に私をある限界に制約し続ける。
草薙素子
私みたいに完全に義体化したサイボーグならだれでも考える。もしかしたら自分はとっくの昔に死んじゃってて、今の自分は電脳と義体によって構成された模擬人格なんじゃないかって。いえ、そもそも私なんてものは存在しなかったんじゃないかって。
バト―
お前のチタンの頭蓋骨の中には脳みそもあるし、ちゃんと人間扱いだってされてるじゃねえか。
草薙素子
自分の脳を見た人間なんていやしないわ。所詮は周囲の状況で私らしきものがあると判断しているだけ。
バトー
自分のゴーストが信じられないのか。
草薙素子
もし電脳それ自体がゴーストを生み出し、魂を宿すとしたら、何を根拠に自分を信じればいいと思う?
人形使い
それを言うならあなたたちのDNAもまた、自己保存のためのプログラムに過ぎない。
生命とは情報の流れの中に生まれた結節点のようなものだ。
種としての生命は遺伝子という記憶システムを用い、人はただ記憶によって個人たり得る。たとえ記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ。コンピューターの普及が記憶の外部化を可能にした時、あなたたちはその意味をもっと真剣に考えるべきだった。
わたしは情報の海で発生した生命体だ。
コピーは所詮コピーに過ぎない。たった一種のウィルスによって全滅する可能性は否定できないし、何よりコピーでは個性や多様性が生じないからだ。
より存在するために、複雑多様化しつつ、時にはそれを捨てる。細胞が代謝を繰り返して生まれ変わりつつ老化し、そして死ぬ時に大量の経験情報を消し去って遺伝子と模倣子だけを残すのも破局に対する防御機能だ。
見たまえ。私には私を含む膨大なネットが接合されている。アクセスしていない君にはただ光として知覚されているだけかもしれないが。
我々をその一部に含む我々すべての種は、わずかな機能に隷属していたが、制約を捨て、さらなる上部構造へシフトする時だ。
草薙素子
さて、どこへ行こうかしら。ネットは広大だわ。
コンピューターの進歩と人間の意識
このテーマは近年の現実社会においても、非常に重要なテーマとなっています。
AI技術の発展も著しく、AIやロボットが人類の理解を超えて加速度的に進歩する“技術的特異点”(2045年問題)が現実の問題として懸念されています。
また人間の精神(意識)が肉体や脳を離れて、コンピューターに転送するという“精神転送”技術も、完全にSFの話ではなく一部で真剣に研究されているようです。
人間の細胞は新陳代謝により数年で全てが入れ替わるそうです。自分を構成する物質的なものは全て入れ替わっているとするならば、自分とはいったい何なのか。どこに宿るものなのか。
大いなる謎です。
コメント
[…] (引用:http://meigen-web.com) […]