イスキリス・クリスマス。福の神。八戸太郎天空神。五色人に遣わし文。~竹内文書より
イスキリス・クリスマス。福の神。八戸太郎天空神。五色人に遣わし文。
学術的には偽書とされている有名な古史古伝「竹内文書」のうち「イスキリス・クリスマスの遺言」という書物に記されている(らしい)序文です。
個人的になんとなくこの文章の語感が好きなので、名言というより“名文”(迷文?)として取り上げさせていただきました。
イスキリス・クリスマスというなんだかおめでたそうな名前の人は、イエス・キリストのことらしく、「竹内文書」の資料によれば、ゴルゴダの丘での処刑されたのはキリストの弟であり、キリストは難を逃れて日本に渡来し、現在の青森県三戸郡新郷村に居住し106歳で天寿を全うしたそうです。
ローマ法王が聞いたら卒倒しそうな内容ですが、一応説の論拠らしきものもあるようです。
キリストの遺言~キリストは日本に来ていた?~
冒頭で紹介した文章について、少し考察したいと思います。
「イスキリス・クリスマス。福の神。」まではまだ若干わかるような気がしますが、八戸太郎天空神とはいったい何なんでしょうか?
青森県の民話に、八戸の鮫浦という浜に住んでいた鮫浦太郎という大きなクジラの話が伝わっています。
一種の海神伝承ともいえます。
海の向こうからやってきたキリストを海神と重ね合わせたのでしょうか?でも天空神って何だろう?
さて、キリスト青森渡来説の支持者が論拠としているものですが、まずは、
○青森県戸来(へらい)村(現三戸郡新郷村) ⇒ ヘブライに由来している
たしかに戸来(へらい)という日本語に馴染みのない響きは外来語由来っぽくもあります。
○現地に伝わる盆踊り「ナニャドヤラ」の歌詞はヘブライ語で読むと意味のある進軍歌になる。
ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ
ナニャドヤレ ナサレデ ノーオ ナニャドヤレ
ナニャドヤラヨー ナニャド ナサレテ サーエ ナニャド ヤラヨー
ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ ナニャド
この歌詞?をヘブライ語として読むと、
「御前に聖名をほめ讃えん 御前に毛人を討伐して 御前に聖名をほめ讃えん」という意味になるそうです。
ヘブライ語なんてわかりませんので、そうなんだ…。としか言えません。
○村の旧家に伝わる家紋はユダヤ民族を象徴する「ダビデの星」に酷似している。
いわゆる六芒星は、ユダヤ民族のシンボルとされていますが、日本においても竹籠をモチーフにした同形の文様があり、家紋等に使われているようです。
またこの地方には子供の額に墨で十字を書く風習もあったそうです。
なかなか説得力のあるこれらの根拠を聞くと、もしかして本当に…、と思ってしまいそうです。
また古代日本にはキリスト以外にも、モーゼや孔子、釈迦、マホメットなどが勉強のためにやって来ていたそうです。
真偽はともかくロマンを感じます。
竹内巨麿とは?~故郷探訪~
この竹内文書は、竹内巨麿(1875年~1965年)という人物が祖父から譲り受けたものを明治43年(1910年)に公表したものです。
この竹内巨麿について少し調べてみると、なんと意外にも私の家からそう遠くない場所の出身でした。
富山県の旧上新川郡新保村(現富山市)生まれとあります。私は旧下新川郡地域に住んでいますので、こんな近くに偉人(奇人?)の故郷があったということに驚きました。
また竹内文書によると、富山平野に広がる呉羽(くれは)丘陵は、かつて御皇城山(おみじんやま)と呼ばれ、天空浮舟(あめそらうきふね)という空を飛ぶ船が発着する空港のような場所だったと記されているそうです。
ここで開かれていた天皇主催の大祭には、全世界から五色人(いろんな人種)が集い盛大なお祭りがおこなわれていたとのこと…。
呉羽丘陵には何回も行っていますが、ただの田舎だと思っていた地元が実はそんな世界の中心みたいな土地だったとは。
いわれてみれば、パワースポットというか、なにか清々しい気がこの一帯には流れているような気がしないでもありません。
実際にこの呉羽丘陵は活断層であり、何かしらのパワーを秘めた土地なのかも。
付近には、温泉のある雰囲気の良い旅館もありますし、動物園もあります。そしてかつて世界の中心だったという皇祖皇太神宮がひっそりと建っています。
このあたりは眺望もよく、ドライブにも最適です。
竹内文書に興味がある人も全く興味がない人も、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
古代世界ではこの地から天空浮舟が発着しスメラミコト(天皇)が世界を巡幸していたのだなあ、と深い感慨に浸ることができます。
また富山県の中新川郡立山町には、尖山(とんがりやま)という三角錐型の山があり、この山は竹内文書で世界最初のピラミッドとされているようです。
たしかに遠目には人工的に作られたようなきれいな三角錐型をしている山で、私も一度登ったことがあります。
「竹内文書」は奇想天外すぎて現代人には受け入れ難い内容だと思います。
しかし信憑性はともかくとしてこの壮大なロマンを楽しみましょう。
現代の日本史や考古学の常識から大きく逸脱している「竹内文書」を足掛かりにして古代史に思いを馳せるのはなかなか面白いと思います。