かっこいい二つ名(ニックネーム)を集めてみた。~鬼平犯科帳編~
前回記事に引き続き、かっこいい二つ名を集めてみました。
かっこいい二つ名(ニックネーム)~鬼平編
池波正太郎の時代小説、鬼平犯科帳にはかっこいい二つ名を持った登場人物(主に盗賊)がたくさん登場します。
その一部を紹介します。
野槌(のづち)の弥平・・・表向きは料理屋を営むが、裏では押し込み先の一家を皆殺しにする極悪な一味を率いる盗賊。
蓑火(みのび)の喜之助・・・全国に名を轟かす大盗賊。引退していたが妾のために盗みに復帰するも、裏切りに会い死亡。
土蜘蛛(つちぐも)の金五郎・・・北信越を荒らしまわり、江戸で定食屋を営む盗賊。平蔵に捕縛される。
網切(あみきり)の甚五郎・・・全国を荒らしまわる極悪非道の大盗賊。倶利伽羅峠で平蔵に殺される。
他にも狐火の勇五郎や雨隠れの鶴吉などなど。「鬼平」に登場する代表的な盗賊はだいたい二つ名を持っています。
お気づきの方もおられるでしょうが、池波正太郎の描く盗賊たちの二つ名は、妖怪由来のものが多いです。
野槌(のづち)はツチノコとも同一視される古くから伝わる野の精霊。
網切(あみきり)は、干してある網などを切り裂くといわれる妖怪。
土蜘蛛(つちぐも)は古代において朝廷に恭順しなかった豪族たちが妖怪化したもの。
おそらく主人公が「鬼」の平蔵なので、鬼のごとく悪を追い詰める平蔵と関連させて、盗賊も妖怪関連の二つ名を付けたのではないかと思われます。
実際に江戸時代の盗賊たちにこのような二つ名(ニックネーム)があったのかどうかはわかりませんが、ただの弥平や喜之助よりも、このような妖怪の名前がくっついていたほうが、凄みもあり、どこか親しみも感じます。
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